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知り合いの子のお店で飲むから行かない?と誘われたので久々に行ってきた。東京の真んなか中央区にありながら四方を近代ビル群で囲まれた佃島はそこだけ取り残されたみたいに、懐かしい雰囲気がする街です。川があって船があって、祭りの支度があって、赤い欄干の橋はそれだけで十分そこにある意味がある気がする。なんつうかとにかくホッとできる街だなあと毎度思う。ただ飲むだけかと思ってものすごい軽い気持ちで行ったら、なんか知らんけど歌会*1に巻き込まれてしまった。と言っても別に自分で作るわけでもなく、ただ聞いてるだけだけどこれがけっこう面白かった。日本語奥深い。と同時に日本語って面倒くさい言い回しをするには持ってこいの言語だなあと改めて実感。文末につく「やむ」とか「なむ」とかちゃんとした意味があり、それを説明してくれていたけど、お酒飲みながら聞いてたから何が何だかさっぱりわからなかった。けど良い和歌はすごくシンプルで自然に情景が思い描けるものだなあ。「里」を「郷」に変えただけで、もう全然違う景色になったのも驚きだった。和歌の先生(70オーバー)は縁あって、三/島/由/紀/夫に懇意にしてもらっていたというから驚き。三/島が自決する年の春に一緒に桜を見に行ったらしく、あれは三/島が全てを終わらせる前にこの世で最後に綺麗な桜を見たかったのだろうと話しておった。その桜をどんな思いで見たのかは今となっては知る由もないけど、綺麗なものをみた後、多少覚悟が揺らいだりしなかったのかしら?生きてたらまたこうして綺麗な桜が見れるのに。

*1:和歌をお勉強する会